繁殖成功!ギラファ飼育記③割り出しと卵の管理

2020/07/26

ギラファ クワガタ 割り出し 飼育記 繁殖

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ギラファノコギリクワガタの繁殖方法第3回です。
前回は、産卵セットの紹介をしました。


今回は、産卵確認と割り出しと卵の管理について紹介していきます。

産卵の確認と割り出し

クワガタの種類や個体にもよりますが、早ければメスを産卵セットに入れて数日で産卵を確認することができます。
今回のギラファの繁殖でも、メス親を産卵セットに投入してから、1週間で産卵を確認することができました。産卵確認から数日したら、メスを産卵セットから取り出してしまいましょう。私は産卵マットの上にメスが出てきて、ウロウロしている所を見計らって取り出しています。

さて、卵や幼虫を確認できるようになったら、割り出しを行います。割り出しというのは、産卵セットから卵や幼虫を取り出すことで、幼虫管理や幼虫同士の共食い防止等の理由で行います。通常、産卵確認から1~2か月ほど待ってから行います。

割り出し

使用する備品 
 ・新聞紙
 ・ルアーケース
 ・スプーン
 ・(マイナス)ドライバー

以上のものを使い、割り出しをしていきます。

まず、新聞紙を2、3枚広げます。この上でケースをひっくり返すのですが、室内で作業を行う時など、汚れが気になるようなら、新聞紙ではなく大きめのプラスチック容器にしたほうがいいかもしれません。私は普段屋外で作業するので、新聞からはみ出た土は作業後にまとめて箒で集めて片付けています。

産卵セットを広げた様子。上部にあるのが産卵木。

マットの塊は力強く握りつぶさないようにしましょう。掌の上でボロボロと崩すイメージで力を加えていきます。幼虫は潰しやすいので、優しくスプーンで掬い、ルアーケースに移します。

産卵木の割り出し


産卵材の割り出しには、マイナスドライバーを使います。人によっては専用のペンチやナイフを使いますが、共通して言えるのは、手を傷つける可能性があるので、お子さんが作業する際には、必ず大人が見ておくようにしてください。
材の繊維方向に沿って崩していくと、勢い余って幼虫を潰してしまうことがあるので、ドライバーの先が入る隙間を作ったら、てこの原理で剥がす様にしていきましょう。
図解.産卵木の割り方

ある程度ボロボロになっている材であれば、手で力を加えるだけで崩すことができます。この位柔らかくなった材であれば、無理にドライバーでの割り出しに拘らない方が、幼虫を安全に取り出すことができます。
産卵木から割り出したギラファの2齢幼虫。

割り出しを終えた後は、マットと産卵材を暫く保管しておくことをオススメします。1回の割り出しだけでは、どうしても幼虫の取りこぼしが出るので、すぐには捨てないようにしましょう。特に割り出し時期が早く、小さな幼虫や卵が多く取れている場合は、取りこぼしが多くなりがちなので、1~2か月は様子を見るようにしましょう。

割り出し後の管理

割り出し後の幼虫は、速やかにプリンカップへ移しましょう。生まれたての幼虫などは、産卵セットに使ったマットで管理するのが無難です。無理に菌糸瓶(昆虫ショップなどに置いてある、あの白い瓶のことです)に詰めると、死んでしまうことがあります(俗に、「菌にまかれる」と言います)。

生まれたての幼虫。菌糸に入れたら確実にまかれる。


卵の管理は、幼虫より少し気を使います。方法としては、大きく

  1. マットでの管理
  2. ティッシュ管理
の2つに分けられます。筆者はどちらの方法でも(少なくともギラファの卵は)、孵化まで管理できました。

卵のマット管理

その名の通り、プリンカップにマットを詰め、卵を孵化まで管理します。卵の様子を観察できるように、プリンカップの側面に楊枝などで穴を掘り、そこへ卵を落とす方法がオススメです。この方法の良い点は、孵化した幼虫がそのままマットを食べることができる点です。つまり、卵管理と幼虫管理を兼用することができます。
マット管理の様子。カップの壁際におくことで観察がしやすくなる。この例では、マットの上に湿らせたティッシュを置いて湿度を保っている。

ティッシュ管理

ティッシュ管理では、プリンカップに湿らせたティッシュを敷き、その上で卵を管理します。

この方法の良い点は、卵の観察がしやすいことでしょうか。
難しい点は、孵化後マットへ幼虫を移動させる必要があること、ティッシュが乾燥しないように定期的に加水をしなければいけない所です。放置期間が長くなると、孵化後の幼虫がエサ(マット)を食べられずに落命、卵がティッシュもろともカピカピになっている、なんてことになりかねません。念の為、加水の際には卵に直接水がかからないようにしましょう。

生まれたての幼虫と卵。幼虫の移動には細心の注意を払う。

管理の手間を考えると、忙しい方は特にマット管理がベターだと思います。

終わりに

如何でしたか?

以上で今回の投稿は終わりです。と、同時に一旦ギラファノコギリクワガタの繁殖方法の紹介を終わりたいと思います。幼虫取り出し後も、マット換えなどの作業は続くのですが、「繁殖」という観点から、割り出しまでで1区切りつけようと思います。

今回のシリーズは、クワガタの繁殖に初めて触れる方でも分かるような解説を目指しました。この投稿が、繁殖の参考になったり、クワガタ飼育の世界に少しでも興味を持つきっかけになったりしていれば幸いです。

では、また逢う日まで。

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